セツブンソウ　花なし
【学　名】　Eranthis pinnatifida
【年　生】　多年草(宿根草)
【花　色】　白
【花　期】　早春
【草　丈】　10cm
【日　照】　夏日陰
【耐寒性】　寒さに強い（耐寒性あり）

早春の静寂な森にひっそりと咲く姿に、誰もが心奪われる「セツブンソウ（節分草）」。
その楚々としたたたずまいと、凛とした美しさは、日本の山野草の中でも特に風情ある存在として、多くの愛好家に親しまれています。

節分の頃、まだ寒さの残る大地から顔をのぞかせる小さな白い花。
それが「セツブンソウ」です。

透き通るような白い花弁（正確には萼片）に、淡い紫色のしべが彩りを添える姿は、まるで雪解けの一瞬を切り取ったかのよう。
ほんの数週間しか咲かないその儚さもまた、山野草ならではの魅力と言えるでしょう。

このセツブンソウは、日本固有の植物で、主に関東から中部地方の落葉広葉樹林の林床などに自生しています。
近年ではその自生地が減少し、野生のセツブンソウを見る機会は少なくなってきましたが、栽培品種として丁寧に育てることで、その美しさを自宅の庭先でも楽しむことができます。

山野草の趣を感じながら、早春の訪れを告げてくれる存在。
それが、セツブンソウです。

栽培は難しそうに見えるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえることで、毎年その愛らしい花を咲かせてくれます。
特に山野草に親しんでいる方であれば、その管理のしやすさと美しさにきっと魅了されることでしょう。

セツブンソウは球根植物で、夏は地上部が完全に枯れ、秋から春にかけて活動する「スプリング・エフェメラル（春の儚い命）」と呼ばれるタイプ。
そのライフサイクルは短いものの、自然に寄り添った育て方を心がければ、毎年元気な姿を見せてくれます。

鉢植えでも庭植えでも楽しめますが、最初のうちは鉢で育てて性質をつかむのがおすすめ。
また、他の山野草と組み合わせて寄せ植えにすると、さらに趣深い演出が可能です。

【育て方のポイント】
・半日陰の涼しい場所を好みます。夏の直射日光は避け、落葉樹の下や風通しのよい木陰が理想的です。
・水はけのよい用土を使用しましょう。赤玉土小粒と腐葉土を混ぜた山野草用土が適しています。
・夏場は休眠期に入るため、乾燥気味に管理。ただし、完全に乾ききるのは避け、やや湿り気を保つと球根が傷みにくくなります。
・植え替えは秋口が最適です。球根の分球を兼ねて、2〜3年に1度行うと株が元気になります。
・開花後はすぐに葉が展開します。この葉で球根に養分を蓄えるので、花後も葉を大切に育てましょう。
・冬は寒さに強いため、特別な防寒は不要です。霜にもある程度耐えるため、戸外での管理も可能です。

セツブンソウは、春を待ちわびる心にそっと寄り添う山野草。
小さな命がひときわ輝く瞬間を、どうか見逃さないでください。

ぜひ、あなたの庭やベランダに、早春のときめきを添えてみませんか。



セツブンソウの今季未開花の球根（直径７〜１０ｍｍ程度）を１球入れてあります。


【苗のポットサイズについて】

商品に「１０．５ｐ」または「3号」などの表記がある場合、使用するポット（鉢）の直径を示します。

（10.5pは10.5センチ、3号は9センチ[1号=1寸約3センチ]の直径の鉢）。

特別表記がない場合は通常9cmポットを主に使用していますが、入荷時の状態などにより変わる場合もあります。



【苗の状態について】

商品画像はイメージです。
販売する苗は休眠期、成長期、開花期、花後、植物のサイクルに伴い状態が違います。具体的には下記の状態でお届けする場合があります。

・休眠期…地上部が無い、または枯れている状態。地下部のみで休眠中。

・生育期の前半…前年の枯れ葉が残っている・花が無い、丈が短い。

・鑑賞適期…花・葉が鑑賞できる。

・生育期後半…姿が乱れ枯れ葉が目立つなど